足りなかったのは

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060624-00000122-mai-soci

今回の事件で浮き彫りになった親と子のデリケートな関係。若者の心理に詳しい碓井真史・新潟青陵大大学院教授は「子どもとの関係で重要なのは、子どもに対して親が常に『大好きだ』『大事なんだ』というメッセージを発信し続けること。家庭内で弱い部分を見せられる環境作りも、特にいわゆるエリートの家庭では必要だ」と訴えた。


奈良家族3人放火殺人事件の犯罪心理学(心理学総合案内こころの散歩道)

 悪いことになれている人は、悪いことをごまかすことにもなれていますが、優等生はそんなことができません。小さなミスから、とんでもない大事が生まれてしまうことがあります。ごまかすことも謝ることもできないのですから。

 何かが上手くいかない時、80点でも50点でも良いと思えればよいのですが、100点でなければテストを受けない、100点でなければ0点と同じだと思ってしまうと、物事を少しずつ改善していくことができなくなってしまいます。

人生「グレーな部分」が必要だと、精神科では、言われていますものね。黒白判別つかない、グレーな部分。

容疑者の少年は、「ハリーポッター」の大ファンです。登場人物の中では特に「ロン」が好きだそうです。
この物語は、魔法使いの少年が全寮制のきびしい魔法学校に入り、魔法の修行に励み、困難を乗り越えながら友情を育み成長していく物語です。

 主人公は、ハリーポッター。悪い魔法使いに両親を殺され、いじわるな叔父夫婦のもとで育ちますが、特別な能力を持つかっこいい少年です。物語の中には、名門の家の少年、裕福な家の少年も登場します。

 ロンは、ハリーの親友。ちょっとさえない少年です。家も決して名門ではなく、経済的にも豊かではありません。魔法も上手ではありません。でも、とてもいいやつです。ハリーを助け、彼なりの方法で、活躍をしています。そして、物語に出てくるたくさんの少年達の家族の中で、ロンの家族は一番心温まる家族であると、私は感じます。

 名門の学校に入り、成績は良くないけれども友人に恵まれ、彼なりの能力を発揮し、それがきちんと認められ、そして何よりも、彼を愛で包むやさしい家族がいる。今回の容疑少年も、ロンのような人生にあこがれていたのかもしれません。

確かに。そうですね。
ウィズリー家は理想の家庭だと私は常々感じていました。
この文を読んで、目頭が熱くなりました。少年が可哀相でなりません。でも自分が同じ事を繰り返していないかとの反省材料にもなります。

少年事件はいつも悲しいものです。この少年も本来は悪人ではありません。父親だって子どもが憎くて叱っていたのではないでしょう。

 子どもに教育や訓練をすることは悪いことではありません。良いことです。しかし、そのときに忘れてはいけないことが、「たとえそうでなくても」という思いではないでしょうか。

 がんばって医者になれ!、でもたとえそうでなくても、君にはいろんな道があるし、たとえそうでなくても、父さん母さんの愛は微塵も下がることはないと、子どもに伝えること、これこそ親の一番の役割だと思うのです。

足りなかったのは、彼の学力ではなく、親父の愛だったということでしょうか。