ロスト・シンボル

古の神秘と科学と聖書の物語が約700ページに収めてある。1日にも満たない、たったの10時間余りの出来事とは思えないストーリーだ。暗号と謎ときがまるで筍の皮のように次から次へと現れて幾重にも重なった神秘の薄いベールが剥がされていく。読み始めて数分後に私はワシントンに飛んだ。

ロスト・シンボル 上・下 2冊セット

ロスト・シンボル 上・下 2冊セット

それからは、もう息詰まる展開の連続で、下巻の1/5を残すところでベラミーが引き出しを開け涙を流しているシーンでピンときた。それまで一番不可解だったことは、予感的中、その後を読み進み確定となかった。これはかなり初期から妙に心に引っかかっていたことだった。
それにしても、天使と悪魔、ダ・ヴィンチ・コードとの三部作のなかでは最も不可解な謎が多くて面白かった。
ダ・ヴィンチ・コードで知ったテンプル騎士団のこと、その後古書店で偶然見つけたテンプル騎士団の絵本。そしてwikiで調べたら、たどり着くフリーメイソンという集団の謎。
そのフリーメイソンを大胆にもモチーフにしたのが本作だ。
だが著者の謂わんとするところはフリーメイソンの謎の解明ではない。
それは何か、と言うと読んだ人のみ判るだろう。
映画化されるので楽しみだが、私は本で充分謎解きの面白さと映画では現せない真実を思い知った。久々時を忘れて本に没頭した。GWに感謝。