明日は運動会

小学校からかえり、「おかえり」と誰にも言ってもらえない がらんとした家で時間にせかされ、自分でお弁当のご飯をつめ、お茶を入れ、自転車で20分ほどの距離を塾へ急ぐ。そして、かえりは21時30分。自分の足でもどり、帰宅しても山のような宿題をこなさなければならない。就寝は12時ごろ。
この毎日は ちょっと辛かったかもしれない。
しかも 4日に運動会を控え 連日その練習で、くたくたになり、体力も消耗している。なんてったって5、6年生は騎馬戦をやるのだ。

上の子ども達の時は 私が会社から早く戻り 送り迎えをしていた。
仕事をフルタイムでするようになってから、うっちゃりが 塾へ行きだしたので、彼は、上の子より体力もあったので 行きは 自分で行かせ 帰りは私が車で迎えに行っていた。だが、塾までの多数の待機車両にクレームでたり、同クラスの子どもが自力で通塾しているので、ウチは甘いのだろうかと おもっていたところ、うっちゃりは スイミングもやめ ぶくぶくと肥えだしたので 運動をかねて 日の長い季節は 自転車で通塾することになった。
通塾の手段より、学校からの帰宅時に 誰も家で迎えてもらえないのが しんどくなったとき 辛かったのかもしれない。
体制をかえよう。もう遅いかもしれないけれど。いや。 まだ、諦めるのは早い。
彼が学校から帰る15時30分には 家に居るようにしよう。それができる仕事の体制に変えて行こう。

今日も「もう行きたく無い」という うっちゃりを「途中でしんどくなったら電話したらいいから」となんとかなだめて 送って行った。進度がはやいので授業をうけなければ、全然ついていけなくなってしまう。宿題は最悪まったくやらなくてもいいけど、通常授業だけは とりあえず受けておいて欲しい。
明日は 運動会で体力を消耗するから 塾は休ませる。日曜も休ませ、月曜日は学校が代休だ。 2日間ゆっくりできるから 今日はなんとかもちこたえてほしかった。
昨日は、なんとかがんばってくれた。先日の日曜に受けた「最難関模試」の成績がおもったより良い出来で 偏差値が60とれたことを先生から褒めてもらって、やたら機嫌が良かった。ちょっと不審におもうくらい。
やめたい癖に 成績は気になるようだ。
1回1回の点数で一喜一憂しないで、偏差値に神経質にこだわらないで、志望校判定なんて めやすでしかないんだから、それより 何がわかってなくて 何がわかっている ということをわかっておくことのほうが大切だ と言うのに。
なぜか 数字をかなり気にしている。 この辺が 上の子とまったく違うところだ。う〜〜〜ん。
17時に塾から電話があった。悪い予感はあったった。熱はないけど、しんどいから 迎えにきて欲しいと。
迎えに行ったとき、「あかんたれ」と叱咤激励したほうがいいのか? それとも「大丈夫?」とやさしい言葉をかけた方がいいのか? やさしくすると そのままずるずると 甘えてしまってダメになってしまったらどうしよう。 叱咤激励して ますますプレッシャーがかかり かえって潰してしまったらどうしよう?
 どうしよう? どうしよう? と思いながら運転して 塾に到着。
うっちゃりの顔をみて 言葉がでなくなった。
顔の表情がいつもと全然違う。暗くて 辛そうで 何かにおびえているようで 恐縮している。
帰宅し、食事をとらせ おふろでゆっくりとすごすと 顔つきが 通常にもどった。よかった。そして もう早くやすみなさい。塾のことはまたゆっくり考えて無理のないように相談しながら やっていこうといった。
明日は 運動会だから と。

泣いても笑ってもあと7ヶ月だ。2年半やってきて、ここでそれをふいにするには あまりにももったいない。でも本人の精神状態をちゃんと見極めてやらないと。
この壁をなんとかして乗り越えられるようサポートするか、それとも人間が潰れてしまわないように撤退するか。そして その先には、「万もの」の入試がある。
大学1年生になった娘が当時を振り返ってこう言った。
「”中学受験なんて、こどもはなにもわかっていない。親がよろこぶ顔を見たくてかんばってるだけだ。”って よくゆうやん。」
わかっては いた事だけれど 経験者本人から 直接そういわれると 「本当にこれでいいのか 自分」と信念がぐらぐらしてしまう。また ビミョーないいかたしおって。