にわかホームレス

土曜日にバンビの学校でおやじの会があった。今年参加すれば6年間の皆勤になるとおやじは張り切って出掛けていった。懇親会では、後出しじゃんけんで「長老の書」を獲得したらしい。その無邪気な要領の良さは、誰にもまねできない彼特有のキャラである。
6年目にして、初めて2次会の案内があり、しかもそれは、駅前の立ち飲みで名前を出せばFreeというすごいモノだった。理事長の懇意のテンポらしい。
誰も知り合いのいないところで即座に友達になるキャラもまた彼特有のモノであり、となりに座られたご父兄が、偶然大学の先輩とわかり盛り上がったらしい。
ここまでは よい。
問題は、このあとです。
皆と別れ、奈良を出発した電車は、気が付けばまた奈良に居たという。
は?

あまりに帰りが遅いので電話すれどメールすれど、いっこうに通じず、やっと着信があったが直ぐ切れた。すばやくかけ直した。
今どこ?
「今大和西大寺。奈良をでたのに気づけば奈良。最終は新田辺止まりで帰れない。」
ぎよえ〜〜〜〜!
以前 ルートは全然違うが、同様のことがあり、京都の南まで夜中の二時にむかえにいったことがあるが、 新田辺までは 地理がわからない私には無理。
「タクシーで帰ってきて〜」
だが、待てども待てども帰ってくる気配無し。
この日、午前中2時間ほど カンカン照りの中でテニスをして 私は日焼けと疲労でぐったり。先週の徹夜韓ドラの尾がまだ引いていて、もう眠くて眠くて起きていられなくなり、いつの間にか眠ってしまった。
2時にふと目が覚めるが、隣のベッドは空。不安になり電話する。ひつこくコールすると、眠たげな声が聞こえきた。
「今駅前。始発で帰る。」
連絡が取れホッとすると もう睡魔が襲ってきた。
朝、着メロで目が覚めた。
始発の電車に乗ったらしい。迎えにいこうと到着時刻尋ねるをメールしたが、そのまま待機画面に戻すのを忘れて、また爆睡。めちゃめちゃ睡眠不足。眠った気がしない。心配性ってのは、つくづく損だと思うよ。
ドアをあけるチャイムで目が覚めたのが6時40分。
ああ、やっと帰ってきた。良かった。
そうしたら、すさまじい安眠が襲ってきて、もう起きるのが嫌になった。
しばらくして、だるい身体をおこし、「ねぇ昨日どこ泊まったの?」と聞くと、驚くべき答えが返ってきた。
「ホームから追い出され、ちかくのインターネットホテルにでも泊まろうかとおもったけど、アホらしくなって、バス停のベンチで寝た。」
と彼は言葉を残し、元気にザリガニ釣りのイベントに出掛けていった。
お願い。もう私に心配かけないで。