ユースアクション感想

 娘は去年の夏休みも高校から斡旋される福祉体験事業の「ユースアクション」というものに参加した。6日間の体験を終え最後に感想文を提出しなければならなかった。体験で得たこと、周囲で暖かく受け入れてくださった方への感謝の気持ちを込めた作文を書いたら、それが京都市の最優秀賞のひとつをいただけることになった。
 幼児の頃にわたしの読み聞かせ方が不十分であったせいか、小学校の時は、ろくに本も読まず、国語は苦手科目であった娘に変化が現れたのは、高校のとき、作家を目指す友人に出会ってからだ。その友人により、読書を楽しいことと認識した娘は、どんどん本を読むようになった。たぶんその影響もあって、少しはましな作文が書けるようになったようだ。
 大学生となってからは、レポートを書き自分を表現するということは、とても大切になってくる。そして、社会人になって仕事をするようになると、書けると書けないとではさらに差がつく。その友達には感謝!感謝!

 そんな事が今年の春先にあったのだが、初夏になって、社会福祉協議会より、去年ユースアクションに参加した全員の感想文集が送られてきた。
そして昨日部屋の大整理を始めた娘が「もう、これいらんし」とその文集を持ってきた。なんとも固執のないヤツである。
 薄い小冊子は、なくしやすいから、親ばか記念にwebにupすることにした。今年も年末になれば、このblogを本にする予定である。分厚い本の1pにしておけば、娘がやがて年老いてからでも読み返されることでしょう。



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■体験して得たこと(点字/手引き/要約筆記/手話体験コース)

 私が今回、『点字・手引き・要約筆記・手話体験コース』への参加を決意したのは、「去年は施設体験をしたから、今年は違う方にしよう」という、とても軽い気持ちでした。もちろん、そういったコミュニケーション方法を習いたいという思いはありましたが、学校の授業のような、講師の方が前に立ってお話しされ、演習問題のように体験するのだろうと思っていました。しかし実際は、わたしの思っていたような一方的なものではなく、どのようにしたらもっと伝わりやすくなるか親切に教えていただいたり、疑問に思った時はすぐに質問できる、アットホームな形でした。
 普段私があたり前のように無意識でしている”見る”事と”聞く”こと。それが、実際にできないと、どういう時に困るのか。いくつか考えましたが、私の思いついたものは”一番困ること”ではありませんでした。実際に”一番”困っておられることはもっと身近な、聞くと「あー、そっか!!」とすくに納得できるものばかりでした。そういう状態になったつもりで考えていたはずなのに、本当は全然考えられていなかったのだと言う事に改めて思い知らされました。
 また、間違った思い込みをしていたということもわかりました。一人一人に性格があるように、病状も一人一人さまざまであるのは、あたり前です。しかし私は一般的に”ろう”や”難聴者”と言われる人=全く聞こえない、”視覚障害者”と言われる人=全く見えないと思い込んでいました。それは、TVや他人から聞いた情報をそのまま鵜呑みにし、勝手にわかったつもりになっていたからだと思います。
 この6日間の体験を通して、数えきれないくらいの事実を教えていただきました。私自身も、いつ聴覚・視覚を失ってもおかしくありません。健全であると、どうしても気付きにくい点などもけっして無関係ではないと思います。日常生活の問題点を考える前に、今までよりももう一歩深い視点から考えなくてはならないと思いました。また、コニュニケーションをとる上で最も重要なのは、方法の上手下手ではなく、伝えたいという気持ちなのだとわかりました。伝えたいと思うことにより、きちんと伝わった時は嬉しくて、もっと沢山のことを話したいと思いました。とても楽しい6日間でした。ありがとうございました。

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