第2回家庭教育学級

Chumi2005-11-18


我が小学校のPTA委員会には 文化委員会というものがあり、年2回の家庭教育学級という学習ものを企画することと、コーラス部を結成し支部のコーラス交歓会に参加することが、おもな役割となっている。
この家庭教育学級 毎年参加者が少なくて 必ずと言っていいほど、連絡網で「もっと参加を」の伝言が回ってくる。開催されるのが主に夜であり、団らんの時間や楽しいテレビの時間を割いてまで わざわざ学校まで出向いてくる人は少ない。この企画が、「飲み食いもの」や「スポーツ健康運動もの」であった時のみ参加者は若干増加する傾向にあるが、「お勉強もの」であるときは きまってショボイ参加人数となり 企画者の頭を悩ますのである。これは、我が校の特徴なのかなと思っていたら、先日他校のPTA本部役員のかたとお話しすると 他校でも同様の現象であることがわかった。教頭先生は、「飲み食いにだけ集まるんじゃなくて、”アカデミックな親”をまず育てなければ!」と息巻いているそうだが、う〜〜〜ん、難しいんじゃないの、飲み食いに勝つってのは。

今年の家庭教育学級の第1回目は 保護者であり税理士である方の「ちょっと得する知らないと損をする税金の話」であった。参加募集の連絡網は回ってこなかったが、参加者は20名程度。全家庭数は215あるのに。取材に行こうと張り切っていたら、旗日にぶつかり体調不良でぶったおれ、だんなに撮影をお願いした。高額所得者対象のお話で、アカデミックすぎでけっこう難しかったそうだ。

第3回は 文化委員長が 管理栄養士さんであるため「親子クッキング 手作りおやつ」を企画されている。これは 間違いなく人気がありそうで参加人数の心配はなさそう。
そして、今晩開催されたのが、第2回めである。12月は人権月間であり、年1回は 人権問題を取り扱うきまりとなっているため 今回は第1回の税理士さんのご紹介で「盲目の弁護士 竹下義樹氏」の講演となった。
徹子の部屋にも出演されたことのある有名人である。それにも関わらず「参加者が少ないので ぜひ参加を!」の連絡網が回ってきた。教頭先生が嘆くように、いくら有名人であろうが、PTA保護者は わざわざ寒い中お勉強に出向かないのである。紹介した税理士夫人はきっとひやひやしたことだろう。

この日 私はちょうど テニス部の鍵当番であり、メンバーの誰よりも早く校門を開け、校庭に行き照明をつけ、コートの準備をしなければならなかった。
おまけに夕方から小雨が降り出し、ふったりやんだりで ややこしい。必死で夕食のハンバーグをつくり、19時まえに学校へダッシュ。副部長から「お天気どうですかね? 練習中止にしますか? 早期決断します? 待ちます?」「雨やみましたね」とメールを頂いていたが、こっちは ハンバーグと格闘中で全然気付かなかった。19時の時点で 雨は上がり、予定通り ポールを立て ラインを引き、ネットを張り、2コートの準備ができあがった。ひーふー。
家庭教育学級が始まるのは19:30で、それまで20分ほど時間があったので、いつものように 早く来たメンバーから順にボレボレ ショート ロングストロークと進める。冷えた身体からほかほかと蒸気があがるころ ちょうど開催時間となり 講演会場へダッシュ

この日の原稿は お願いしてあるが、わたしは写真をとらねばならぬ。会場にぜーぜー いいながら到着。参加人数はそこそこ集まったようだ。よかったね。
障害者問題をとりあげて学習する4年生の担任の先生もビデオをスタンバイして待機。
お話のテーマは「夢と目標の喪失は、挫折へのはじまり」といったもので、なんだが、暗い印象を持っていたが、ご本人は弁護士にもかかわらず、非常にフランクで、わかりやすい 暖かいお話だった。
いくつになっても夢を持つことが大切。夢があれば 目標ができ それに向かって毎日いきいきと過ごせる。夢を追いかけると 挫折することもでてくるだろうが、夢を失わずにいれば、また挫折から立ち直れることができる。
ねばり強い交渉で点字による司法試験を法務省にみとめさせ、9回目のトライにして司法試験に合格した竹下氏は、全盲であるにもかかわらず、ヒマラヤにのぼり、スキーを楽しみ、福祉問題・障害者問題に取り組む活動を続けられている。
最後の質疑応答で 質問させて頂いた。「子どもが岐路に立ち迷っているとき親としてどのようにサポートすればいいのか?」これは、先生のご長男が院へ進まれるとき、それまで熱心に続けてきていた化学への道に迷いを感じ その方向へ進まなかった というお話しを受けてのことだ。わたしにすれば、「それで ご長男はその後どうなさったのですか?」と突っ込みたいところであったが、あまりにプライベートすぎて、初対面の先生に尋ねるにははばかれたからだ。
回答は 「子どもが迷っているときは、親子で会話をして、本人の口から いっぱい喋らすことだ。話していると自分で答えを見つけることができることがあるし、どちらの道にすすもうと最終的に自分で納得して決めたのなら、後悔はない。親は 指南はせず、じっとだまって それを見守る、簡単なようで とても辛いことだが、それをしてきている親はエライと思った。」と頂いた。

「目が見えないというのは、すごいハンデで不幸なことである、でもこれは、見かけ上の不幸であって、”目が見えないから こんなことはできない とか 職業の選択の余地がない”とか固定観念や偏見により 世間より決めつけられてしまうのが 本当の不幸なのです。」とおっしゃる言葉が印象に残った。
夢を諦めないこと、そしてそれに向かってねばり強く努力すること。そうして人生を過ごすことが幸せを感じる生き方なんだなと思った。

さて、写真は上手く撮れたかな?
原稿を依頼した税理士夫人の仲人は実は この竹下氏だというではないか。そして、氏に山登りを誘い、スキーに連れて行ったのは、彼の叔父さんだという。氏に対する思い入れがたっぷりかかれた彼女の原稿があがってくるのも楽しみである。