母の役割 父の役割

うっちゃりの学校の学年講演会にいってきた。講師は、現仏教大学教授、京都大学博士(教育学)で臨床心理士の東山弘子先生だ。先生ご自身、中高一貫校の男子をお育てになったご経験もあり、ご自分の家庭での事例もたっぷりとお話下さり、楽しく、わかりやすく為になる講演だった。思春期の男の子に対する母親の接し方、父親の接し方などお話下さったが、非常に面白いかたで、始終爆笑の渦。はるばる往復4時間かけて、お腹もまだ痛かったけど、来た甲斐があった。事件のこともあり、父親の出席率も過去最高ではないかと思われる参加だった。時間は延長したが、それでももっともっとお話を聞きたいくらいであった。MEMOびっしりである。
MEMOだとどこかへいってしまうので、ここに印象に残った言葉をいくつかを書き留めておこう。このブログは、いずれ本にするつもりだから、あとあと読み返せるし。

  • 知的レベルの高い子どもの子育ては、実は難しい。
  • 思春期に入ると親の対応を変えていかねばならない。「散髪に行け、行かない」ですら、もめる。
  • 思春期は「母の世界」から離れる時期なので、母親は、ちょっと距離をおいて接すること。その距離の置き方は、子どもの反応を見ると一目瞭然で分かるからそれで判断すること。
  • 母の論理を押しつけない・しきらない・頼まれないことはしない。
  • 恋人に接するように相手の気持ちを尊重する、子どもの世界にあまり深く侵入しない、一番親しい友人となるべき。
  • 上野千鶴子さんの有名な言葉に「男の自立とは、男が自分でパンツを買うようになった時」というのがある。子どもが母から与えられた服を文句なく着ているのではなく、自分で買いに行くようになれば自立の傾向にある。それを阻止しない。
  • 反抗のない子どもは、1)まだ育っていない 2)母への思いやりで自分を押さえている。それが押さえられなくなると家出をする。(どこで家出をさせるかが要注意!)そこで、子どもは「合法的な家出」を考える---「合法的な家出」とは、大学生活で下宿をすること。
  • 現代はハングリー精神のない子どもが多い。小学校や、高校で成績が1番であった子が、進学校・大学に進むと優れた周囲に圧倒され、成績順位が落ちてしまう傾向が見られる。このような子どもに「あんたは、あほや。あんたは、あかん。あんたは、だめや。」といって自尊感情を傷つけたら、本当にだめな子になってしまう。自尊感情を大切にし、「僕はたいしたもんや」と思わせることが大切。「自分を大切に思ってくれる親が居る」と分からせることが大切。
  • 母親と父親では子どもに対して見方が違う。母親は短期決戦型。父親は、長期決戦型。短期決戦だと、大学に入ることがもくてきになり、子どもは入学すると燃え尽き症候群になってしまう。長期決戦型が大切だ。人生は長い。縦社会での生き方を教えるのが、父の役目。長い目で、その子の特徴を分かってあげること。
  • 母親は、「我が子だから良い子」。父親は、「良い子が我が子」---縦社会で生きる知恵を教える。
  • 父の役割は、あわてず、子どもから逃げず直面し、小さな事にこだわらない、父の支配下におかない。少ない日数で良いから、濃密な関係をすごす日を持つことーーー釣り・風呂・キャッチボール---言葉より行動、一緒に父と過ごすことが大切。でも、嫌がっているのに、ひつこく誘わない(笑)。性教育など、一緒に風呂に入るだけで充分。
  • 誰にもいえないような悩みを相談できる人を持つことがどの人にも大切。
  • 子どもが悩みをうちあけられやすい環境作り、情のかよう関係を家庭でつくってほしい。
  • 口をきいてくれなくなった思春期のこどもが急に喋りにくるのは、心の状態が不安定になっている証拠。見逃さないで。
  • 「情緒不安定のしるしはなんですか?」の質疑に対し、
    • 一番に不眠---カウンセリングを受けた方がよい。
    • つづいて、心身症へと体へ症状が出る、
  • 人生の勝者に共通している条件:女の子は、幼い頃、親に「女だから」と言われなかった人。「女でもやりたいことをやれ」と育てられた女性。 男の子は、幼い頃の興味が今でも続いていて、それを飽きずに探求し続けるエネルギーのある男性。
  • 「人生の勝者とはなんですか?」との質疑に対して:「”地位・名誉・経済的な成功者・他人から尊敬される人”など人生の勝者と一般に言われるものがありますが、わたしは、”自分のやりたいことをやっている人が人生の勝者”であると考えます。」との回答。


この日、奈良放火殺人事件での精神鑑定の結果が出て、発達障害があることがわかったと新聞で書かれてあった。これにも先生は、言及された。自分は、また違う見解を持っていると。それには、いたく共感する部分があり非常に納得した。「この子に自分がもっと早くあっていれば・・・」と言い及ばれた先生の顔は苦痛に歪んでいた。

自分ではわかっているつもりのことなのに、他人から、理路整然と分析を交えて、お話いただくと、ものすごく納得してします。それを聞いて安心するというか、もちろん、間違っていたことなど自分も振り返ることができ、新しい部分も発見できて、やっぱり心理学は、面白いと思う。特に東山先生は、お話が、具体的で臨床体験での事例がわかりやすかった。


いきしな、てらちゃんから水谷修氏の講演会のお誘いをうける。車中だったので、ケータイで氏のデーターをぐぐって、てらちゃんに参加の返信を打つ。

帰路伊勢丹により、ピザカッターと柳総理のティスプーンお試しに2個とマグネット付きの本立て(冷蔵庫にぺたっとはり、本を開いてたてられる)のを買った。アンデルセンでもパンをゲット。

最終駅のtohoにも寄って「トリスタンとイゾルテ」の前売りを買う。これは、外せない。ケルトの悲恋伝説・中世というアイテムだけで「絶対みたい!」と思った。この時代のお話、とても興味がある。でもきっとカップルだらけなんだろうなぁ〜。あ〜ぁ。わたしも胸ときめかせて恋人と行きたいよ。旦那は、こうゆうしんきくさいのは嫌いだろうし、吹き替えの方派だからなぁ。私は断然オリジナルの声が聞きたいし、英語も聞きたいし、字幕派だ。来週が待ち遠しい。