夜回り先生

午後から、R校に、てらちゃんと一緒に、水谷修氏の講演を聴きに行った。
昨日の子育て講演とは、180度も違う内容で、ショッキングだが、実際におこっている現象として、しっかり大人として知っておかなければならない夜の闇の子どもたちの世界。死に至った売春からHIV感染・ドラッグ・リストカットと現代の青少年がかかえる闇の問題が実例としてどんどんでてきて、途中で気分が悪くなりそうだったが、まぎれもない暖かい水谷氏の心が伝わった。
子どもの教育論については、いろいろな方が、論じているが、この水谷修氏は、自らが実行して戦い、地獄のような夜の世界に浸った青少年を更正させているところが、すごい。実際の行動は「すごい」なんて簡単な言葉でいえるものではないんだけれど、悲しいことに表現力が貧困なのだから許して欲しい。

関東だけで活動している方かと思っていたが、全国に渡って、夜回りし、実際に京都の情報も、暴力団がらみで覚醒剤として山科・伏見が今あれていて危険が増しているとか、府下だと綾部など周辺部(夜遊びできる施設がない地方での現象例)ではシンナーが多いとかのお話があり、そのリアルさに驚いた。知らないだけで、実際におこっている本当にある怖い話だと。

よどみなくテンポ良く走り出すように話す口調に全員が全神経を集中させて聞いていたのではないか。それほど、迫力のある、リアルで熱い講演だった。そのテンポは「もう僕には限られた時間しかない」という先生の余命の使命が感じられた。
壮絶な死をとげたシンナー中毒や、売春HIV感染の少年少女の話、地域のこどもたちが「あいさつ・声かけ」を運動を自らが始め、生きる目的をなくしていた地域のお年寄りから感謝の手紙がとどいたというエピソードなど、多くの方が、先生の言葉に感銘を受け、来場者である高校生も母も父も教師もハンカチで涙をぬぐっていた。

  • 自分が一番よく使う言葉は「いいんだよ」という言葉です。今までのことはいいんだよ。でもこれからは、僕と一緒にあたらしい年月をつくっていこう。
  • 人前で薬を飲むのをやめてください。幼児が誤飲する原因もそこにあります。「薬」がどれだけ怖いモノなのか、もっとしっかり知るべきです。環境による精神疾患療法として、薬物を投与するのは間違っている。その疾患を起こしている環境をかえなければ、なりません。薬では直りません。脳を麻痺させ、身体が、ぼろぼろになるだけです。その場合、投与されているのは麻薬ですから。人前で化粧をすることより、人前で薬を飲むことの方が恥ずかしいのです。世界で人前で薬の飲むのは、日本人と中国人だけ。しかし、中国人は、漢方で食事の一環として解って飲んでいる。日本人は、副作用も何も知らず飲んでいるだけ。「薬」については、きちんと説明を聞き納得して飲まなければならないし、他人に自分に処方された薬をよく効くからといって、あげるのは薬事法違反で罪です。
  • 戦後の日本の誤った教育のひとつは「がんばれば、できるんだ」といった思想です。
  • 法は守るためにあるものです。未成年者の飲酒(一気のみでの死亡など)を同席して認めることは、立派な犯罪で執行猶予無しの判決が出ます。実際夜回りで発見した事件でこの1年(?)数人の大学教授・教育者を懲戒免職にしました。卒業生といえど、未成年者と一緒に呑むことは法を犯しています。
  • ひとりひとりの子どもが咲かせることのできる花の種を守り育てていくには、大人が暖かい目で子どもたちの側に立ってあげてください。
  • イライラした家庭で健全な子どもが育ちますか? 褒めて育てないと、人間は育ちません。夫が妻に、妻が夫に、母が子どもに、今まで叱った数と褒めた数を比べてみてください。どちらが多いですか?

おっしゃった言葉だけを書き出すと、誰もが言う正しい道徳教育のように陳腐に感じるが、先生の話は、よくありがちな薄っぺらの教育偽善者のそれではない。とにかく、話の内容がすごくて・・・もう打ちのめされましたという感じ。先生はリンパ腫らしい、もう残された時間は限られている。もし機会があれば、できるだけ多くの人に直接講演を聞いて欲しいと思った。
水谷先生の生講演を聴けてラッキーだった。あまりにもすごいショッキングな情報量で今、頭の中がオーバーフローしているが、何が大切なのか、自分には何ができるのか、反芻してよく考えてみたい。本もてらちゃんに借りて読もうと思う。
私を誘ってくれた てらちゃんに感謝。

そして、てらちゃんは言った。「今自分が家庭で努力できることは、食事をちゃんとつくること。美味しいもの(決して高価という意味ではない)を手をかけて小さい頃から食べさせるのは大切だと思う。」てらちゃんは、超多忙なのに超パワフルで料理好きで料理上手な大阪人だ。今日も開店15分で売り切れてしまう高島屋・三島亭のすじ肉を買ってきてもらった。ほんま おおきに。
どらちゃんにしろ てらちゃんにしろ まやちゃんにしろ、なーちゃんにしろ私の周囲にいる人は何故か超元気なパワフル大阪人が多いような気がする。そして、いつも彼女らを見て励まされている。

すじ肉の1/3は大根と圧力鍋で炊きました。

めっちゃ旨い!ビールが進むわ。コラーゲン、コラーゲン〜♪

てらちゃんに今日のすべてのお礼メールを送ったら、こんな返信が来た。
「ええ話きいたあとは、自分をしっかり見つめ直さなあかんなと思うわ。子育ては難しいな〜」
来月のライブ頑張ってや、やっと行けるかも、行くで〜〜〜。