時生

これ、面白い!!読み始めて、すぐ夢中になった。なんせグレゴリウス症候群という不治の病で臨終を迎えた20歳前の息子が20年以上前にさかのぼって、23歳という若き日父の前に現れるのだ。突然失踪した父の恋人を二人で探すうちに、だんだんと明らかにされる主人公:琢実(父)の出生の秘密。そして、恋人が巻き込まれた事件の真相。見え隠れする親子三代にわたる生き様。その3つが絡み合いながら、ページをめくる毎に真実に近づいてくる。このワクワク感、たまりまへんなぁ〜。

ハイセイコーいとしのエリー、ジュリーのTOKIO日本坂トンネル事故等々、作品中に現れる時代を照らすキーワードが、著者の世代と私が過ごしたあの頃がオーバーラップして、自分の過去をも垣間見る。
『生きているといった実感さえあれば未来はある。明日だけが未来じゃない。それは、心の中にある。それさえあれば、人は幸せになる。』---と言ったトキオの台詞が心で響いた。
そして、感動のラストシーン。う〜〜〜ん。幸せを含んだなんともいえないこの余韻。やっぱり東野さんすごいよ。
553ページありますが、あっと言う間に読めます!オススメの一冊。
てらちゃん ありがとね。