集う

Chumi2007-05-20


父はこの月末で76歳を迎える。今日、実家の氏神さまのお祭りがあり、子、孫を食事会に招待してくれた。集まったのは、父母、弟家族6人、妹家族5人、うちの家族4人である。バンビは遠方のため欠席。以前はオークラが数回続いたが、今回初めてウェスティン都ホテルのアクアブルーで。ちょうどドイツフードの特集でオードブルからデザートまでドイツ料理がズラーリのビュッフェ形式で楽しく美味しいひとときを楽しんだ。
http://www.westinmiyako-kyoto.com/rest/aqa.html

まもまく誕生日をむかえる父のため宴のオープニングに弟がホテル側にバースディケーキを用意させて、皆でバースディソングを唱った。こういった小宴があるばあい、必ずといっていいほど父は宴会前に少々堅苦しい挨拶をする。
この日父が礼とともに皆に言った言葉に、孫に対して「良い子になってほしい」というのがあった。これは、私たち3兄弟が小さい頃からずっと言われ続けてきたことで、「良い子」というあいまいな言葉に3人ともずいぶんと苦しめられたと思う。だが、この日、父はその「良い子」という定義付けを彼なりに具体的に明かした。これは、いままでになかったことだ。
この「良い子」に対して、父が普段子どもがはめを外してはしゃぎ過ぎ、エスカレートした状態の時、嗜めるときによく使う言葉に「普通にしなさい!」というものがある。これを初めてバンビが耳にしたとき、彼はととても驚いたという。「おじいちゃん、ものすごくわかりにくい叱り方するな〜。”普通”って、なんやねん”普通”って。びっくりしたわ(笑)」とかなり受けていた。
この日、父はこう言った。「良い子って、なんやろな? 勉強をがんばる子、スポーツをがんばる子、いろいろあるけど、おじいちゃんが一番覚えておいてほしい良い子とは、”親孝行する”ということや。”親孝行”とは親に心配かけないと言うことや。みんな(孫へ)親の言うことよく聞いて、親に心配かけない良い子になってください。」
私たち兄弟が小さい頃は、道徳的な礼儀や学業成績についてやかましく小言を言われたが、連日のように発生する昨今の痛ましいさまざまな親子殺人事件から、このような具体的な言葉がでてきたのだろうと感じた。
子どもは、親からこのようなことを言われる場合と、祖父母から言われる場合では、捉え方が違うように思うので、この父の言葉には感謝した。そして、それは、もちろん我々兄弟にもあてはまる。

お料理は、この時期ドイツで旬のものとなる白アスパラガスをはじめ、特に目の前でスモークされた豚一匹?のかたまりから切り分けてくれた芳醇なハム、手作りのソーセージ、チーズ、そして、デザートのケーキとピーナッツ入りアーモンドアイスクリームが非常に美味しかった。お酒は、生ビールをピルスナーで乾杯後、玉の光の冷酒、白のシャルドネ、黒ビールとのハーフ&ハーフをいただいたが、どれも美味しかった。

父への誕生日プレゼントとして、弟夫婦が花束と「絵手紙セット」を贈った。年々PCを使って腕を上げてきている年賀状に凝る父へのさらなるステップアップへ、というふれこみだったが、弟の本音は、年賀状で練習し、父が、母への日頃の感謝の「ありがとう」の絵手紙を贈るというところにあったらしい。昭和一桁のあの年代、自分の妻に面と向かって「ありがとう」なんて、とても言えないようだ。そんな父への弟からの願いであるようだ。
父や母を心から気遣ってくれている弟夫婦の姿が眩しくもあり、有り難く沁みた。