岡部慈子作品展


サーヨから連絡をうけ、またまた小学校の友達が個展を開くことがわかった。サーヨから送られてきた絵はがきには、とても素敵な人形が写し出されていた。開催地も京都だ。彼女とは、小学校卒業以来一度も会っていない。
6年の時、4人の仲良しグループだった。毎日毎日 カールカレー味とおにぎりせんべいを買って、他の友達二人とお家に遊びに行かせてもらっていたのに、彼女は、サーヨと同じ中学へ進学して以来、まったく会わなくなってしまっていた。再会するのに、こんな良いチャンスはないよ! 連絡を受けて以来、今日のこの日を楽しみに待っていたのだ。人形作家として出発するという彼女を祝福したい。


堺町御池下ルにある「集」は、和の佇まいで、作家さんの作品が沢山常設されてあるお店のようだ。そのお店の奥にギャラリーがあった。
ギャラリーに歩み寄ったとたん、側のカフェカウンターから、彼女が私の旧姓を呼んでくれて驚いた。

  • 私って、わかった?
  • うん、街であったらわからないけど、トーチンから来るってきいてたし。

カフェ席をすすめられたが、まずは、作品を拝見した。承諾を得て、写真を撮らせてもらった、

はがきに載っていたこの天使の調べは、シリーズになっていて、沢山の天使が思い思いの楽器を演奏して迫力がある。その衣装が美しくて、うっとり。生地は、着物のちりめん。着物の柄を使いたいために、着物を買ったというからおどろいた。細部まで心が尽くされた部品で飾られ、その繊細な出来映えに感激してしまった。和の素材とエキゾチックな部品をとりあわせた微妙なニュアンスの融合が素晴らしい。それに、人形の表情がミステリアスで、優しくて、とても綺麗。

五月人形の猫ヴァージョン。猫というところが、愛らしくてユニーク。頭部に小さな兜をかぶっているが、これが小さいのに細かい細工でできていて、額に鶴が施されている。素敵だなぁ。

彼女の人形は、どれも大人メルヘンチックだ。素材は「和」なのに、雰囲気がシルクロードっぽいところが、不思議な空間をその周囲に与えている。その素材と色の取り合わせが素晴らしい。
芯のスチロールに粘土を重ね、カーブや動きをだして仕上げ、絹を貼るという。生地は、着物であったり、帯であったり、表具であったり、「日本の美」の美しさがこういった形で表現されていると改めて認識する。気に入った色がない場合は、自分で染めて素材をつくるというから驚いた。一番時間がかかるのが、粘土を仕上げるまでだとか。「手先が器用なほうじゃなし」と謙遜して彼女は言うが、こんなに細かい仕上がりがどうして器用でなくてできるだろうか!ただただ感嘆。人形には魂がこめられていると言うが、素材からこんなに丹念に選んで、根気よく仕上げることを考えるともっともなことだと思う。

久しぶりに会う彼女は、明るくとても生き生きしていて、輝いて見えた。お母さんとも久しぶりにお会いでき、嬉しかった。ちっともお変わりなく、お元気そうでなにより。美味しいコーヒーも御馳走してもらった。「集」ってお店は、ほっこりできる空間だ、また機会があれば、寄ってみたくなるかんじ。
   クラフトギャラリー「集」→ http://www.ac-n.com/
   リーズナブルで美味しいフレンチレストランも紹介してもらった。 たぶんここだったと→HugeDomains.com - Shop for over 300,000 Premium Domains
彼女の小さな作品を1つ手元に置きたくなった。お地蔵さんと椿と迷ったが、お地蔵さんはもうすでに売却済みとのこと、椿のほとんも売却済みだった。よく見るとあれもこれも既に売れてしまっていた。最終日に来て失敗した。平日は仕事で行けなかったんだけど、やっぱり、初日に行かなくっちゃ〜!



この椿、花は表具の生地で壺は和紙でできている。表具の柄がとてもよい、色の組み合わせも素敵。会社の接客テーブルに飾りたい。壺に匂い袋を偲ばせてお客様を迎えようと思う。素敵でしょ〜。