あぁ「トーマの心臓」

先日図書館で 新刊案内をみてびびった。

え? なによ これ?!
トーマの心臓」は、今まで読んだ漫画のなかで一番好きな作品で、一番繰り返し読み返したもので、私を旧約聖書 新約聖書へと導いたものだ。 

急に「トーマの心臓」が読みたくなった。「あの頃の私」に戻りたかったのかもしれない。
嫁にくる時に、捨てきれなかったマンガを沢山持ってきたが、数年まえについに処分してしまった。手元にある マイ フェイヴァリット コミックスは、数年前古本まつりでゲットした山岸涼子「日出づる処の天子」と萩尾望都銀の三角大島弓子「セブンストーリー」手塚治虫アドルフに告ぐ」くらいだ。大好きな萩尾望都の作品群を捨ててしまって、後悔した。当時は、子育て中心だったから、もう大人になったから読み返さないだろうと思ってしまったのだった。
気がつくと ポチッとボタンを押していた。
んで、キチャッタ!

トーマの心臓 (小学館文庫)

トーマの心臓 (小学館文庫)

読む前に ちょっと躊躇った。今、これを読んで、あの頃と同じように感動できるだろうか? あの頃、この作品は何度読んでも涙が溢れた。台詞を暗唱するほど読み返したのに。


久しぶりのおもー様の絵。懐かしい!読んでいる間にだんだんと思い出してきた。そして、胸が詰まり涙が溢れた。
良かった〜 私 まだ腐ってなかったよ。繊細な感受性はまだ健在だった。
奥付をみて 版を重ねている数字に驚いた。名作は時代を超えて残るものだ。
それにしても、今 いい年の大人になって 改めて解ったことがあった。おもー様ってなんて、スピリチュアルなもの描いていたんだろうって。

訪問者 (小学館文庫)

訪問者 (小学館文庫)

11月のギムナジウム (小学館文庫)

11月のギムナジウム (小学館文庫)

そういえば、何通かfanレターを書いたなぁ〜。「ポーの一族」も好きで、ある日薔薇の花をそのままの形で漬けたジャムを見つけて 嬉々として おもー様に送った。「エドガーにあげて下さい」って(爆)。しばらくして、ある雑誌で おもー様がこう語っていた「沢山fanレターが来るが、印象的だったのが、薔薇そのまんまのジャム漬。ちょっとあれはグロくて手がつけられなかった。」と。受けた〜〜!「あ、それ、もしかしてアタシんじゃん! 確かにグロかったわ。」

折しも 今日の読売新聞 P24の文化紙面に 「マンガ50年 少女漫画革命」として、おもーさまの記事が載っていた。知らなかった、竹宮惠子(先生)と一緒に過ごした時代があったなんて! そして、彼女たちがモチーフにした「少年愛」は、増山法恵さんが影響を与えたものであったこと、少女漫画の巨匠が青春を過ごしたアパート大泉サロンに佐藤史生 坂田靖子 花都悠紀子 伊藤愛子らが あつまったこと。

そーだったんだ! だから同じ匂いに惹かれたんだと納得した。懐かしい名前がつらなり 当時の自分が蘇る。毎日マンガを読みワクワクして、心を振るわされた作品群は 今になってもやはり私の宝物に変わりはない。