鎌田浩毅教授「自分を大きくする理系的思考術 一生モノの勉強法により豊かな人生をつくる」

うっちゃりが通い始めた塾で興味をそそられるイベントがあり、参加した。まず、度肝を抜かれたのは、教授のファッションだ。京大名物人気教授らしいが、真っ赤な皮のジャケットに真っ赤なタートルのインナー、そして、銀色加工を施した黒いパンツにお洒落なベルト。芸能人?と見まごうようなあでやかでイケテルファッション。
ええーーー?!ホントに教授??? と思ってしまった。TV「世界一受けたい授業」にも出演されたまぎれもない教授。
お話は早口だが、身振り手振りで話され、機知に富み面白い面白い。

赤い洋服を着るのは、火山学者であることをアピールするためで、派手な格好をするのは、地味な地学=火山学に興味を持ってもらうためだとか。なぜなら、日本は火山列島で、南海地震東南海地震東海地震は3連続して2030年頃±20年で必ず発生すると仰る。
その時に、自分の命を守るために 地震についての正しい知識を防災の知恵をより多くの人に身に付けてもらいたいから、こうやって、派手な格好でアピールしていらっしゃるそうだ。大規模な地震は100年周期で繰り返されているそうだ。富士山も活火山だ。阿蘇山が噴火したときは、火山灰がジェットストリームに乗って北海道まで飛び堆積したという。東海系地震阪神大震災の時のような直下型ではなく、沖のプレート型地震で、横揺れが長く続くと予想されている。高層ビル上層階では、洗濯機が回転している状態になる可能性もあるそうだ。お〜〜〜〜こわ! 地震は逃げるところがないだけに、どうしたらよいのか 想像するだけで恐ろしい!

地震の話はさておき、この日は、大学受験にスポットを当てたお話だった。
まず、ご自身の東大理科二類から京大教授になるまでの経緯をお話しされたが、これも面白かった。

受験は、自己プロデュース力を身に付けるのにもっとも適している経験である、自己プロデュース力がつけば、人生において将来とても役に立つ。自己プロデュースとは、様々なモデルから自分に合ったモノを自分流に作り出すことなんだそう。自己流にカスタマイズすることだ。周囲の言動に振り回されず自己ベストのやり方を確立すること。
受験に必要なのは、ノウハウ学力とコンテンツ力。ノウハウ学力とは、自己プロデュースすることで、たとえば、時間管理することやその勉強方法。
コンテンツ力とは、英単語を覚えたりするなどコツコツと積み上げていくものだ。
勉強法については、呼び水法(得意科目からスタートし、乗ってきたら、苦手科目へシフト うまく苦手科目をこなす方法)、棚上げ法(英文や評論で解らない単語はすぐに調べず、読み進み文脈で理解しようとする)不完全法(問題集は全問制覇をめざさず、まびいて最後までやること)

長寿命社会では、知的生産な(豊かな)生き方をするには、教養が不可欠だとおっしゃる。教養とは、文学、美術、音楽、歴史を学ぶそれを自分の生き方に活かすこと。だからこそ、受験に必要のない科目も内職せず、楽しんですること。なぜなら、そのような一般教養は、大学に行くと学べない事が多いから、高校の時点では、広い教養を身に付ける機会なのだ。古典を読むのを薦められた。おすすめは、フランクリン自伝。

東大と京大の違いーーー東大は8割の学生をしっかり育て社会に出そうとするが、京大は背中を見て学ばせ、1割育てばよしとしている。その1割がノーベル賞をとる。東大に向いているのは、素直な子で親元から離れたい子。京大向きは、親の言うことを聞かない子で、自分のやりたいようにする独立心のある子できっと自分の道をみつける、親元から離れたい子(関東から)。日本社会は減点思考だが、京大は加点思考でアメリカ的。

入試のコツは、12月までは、息切れしないようにフルスロットルにしない。12月から3ヶ月大切、体調管理に気を配り、脳は3時間後にフル活動するから逆算して6時起床に心がける。慢心が一番いけない。

親自身がぶれないこと。子どもを信じること。何にでも興味をもつこと。親が自分の人生をエンジョイすることが、子どもにとって良い影響を与える。

コミュニケーションが上手くいく秘訣は、相手に関心をもつことではなく、相手の関心に関心を持つ事。相手のフレームに合わせ自分をリフレーミングする、自分から遠い人にこれを計ると良い訓練になるそうだ。

最後には参加者から多数質問があり、Q&Aコーナー。

  • 子どもが勉強する気になれないのですがどうしたらいいですか?---親が勉強している姿を見せてください。
  • 教授会でもそのような服装で出席されるのですか?(笑)---教授会はグレースーツでTPOにあわせています。着物で授業をすることもあります。
  • モチベーションの上がらないときは?---スランプさんようこそ、と受け入れること、これで遊べると発想を切り替える。無理をしない、脳が疲れている証拠、ここで無理をすると悪化する。
  • 京都のおすすめは?---三条通のカフェがおもしろい。

などなどお話は、受験のみならず、ライフスタイル全般に及び非常に刺激的だった。
講演後書籍の割引販売があったので、2冊購入。サインもいただいた。

わたしももう一度見直してみよう!自分のライフスタイルと人生!