ルノワール展

29日、折角の休日なのに天気予報が雨だったのでルノワール展に行くことにした。夜中に雷鳴が轟き嵐のような雨音に目覚めたが朝になると穏やかに晴れていた。
午前中ちょっと職場に行き雑事を片づけ、梅田に着いたのはお昼。
入場に並んでいると困るので、まずは「黒豚庵」にて腹ごしらえ。ハービスエントはお気に入りのスポットだ。
国立国際美術館へ足を運ぶのもルノワールを観るのも初めてで楽しみにしていた。

高校生の頃、ルノワールが好きという友人がいて「あのパステルカラーが好きやねん」と言っていた。当時の私はルネサンスの重厚な絵が好きで、印象派の絵画はモヤモヤした軽い印象で、どうも好きになれず、ルノワールのありきたりとも映る健康的女性の楽しそうな作品群はどこがそんなに良いのか理解出来なかった。
だが、人と言うものは変化するものだ。
あれほど好きだったルネサンス絵画はロンドンナショナルミュージアムで気分が悪くなってから、観るのがシンドクなり今度は明るい軽い色彩の絵画が好きになってきた。真っ先に胸に飛び込んできたのはシャガールだった。
そんなこんなで数十年の時がたち、今回、電車の中吊りで「ルノ」を見つけた瞬間、陽光に満ちた幸福感あふれるルノワールの作品を絶対観ようと心に決めた。

会場はまずまずの混み具合で、80数点の作品は見応えがあり、松坂慶子さんの優しい音声ガイドにより、画家としては、幸せな生涯を送ったのだと理解が深まり充実した鑑賞となった。
印象に残ったルノワールの言葉は「現実は世知辛く、辛いことも多いので絵は幸福に満ちたものにしたい」というものだった。
私にとってのルノワールは「肌色」だったが、彼が好んだのは緑で、ヴィリジアンとエメラルドグリーンの違いが、X線と赤外線で分析した展示もあり、このような展覧会では新しく感じた。
暗い絵が一点もなく、縫い物をする女や、当時パリ流行の帽子を被り談笑する少女たち、秋の葡萄畑でピクニックするルノワール家族 等等の作品の数々は、見る人全てに穏やかな幸福感をもたらすのだろう。


帰路、中之島の以前の職場界隈を散策する。関電本社が素晴らしく綺麗にそびえ立ち、洗練された町並みに変貌しているのに目を丸くしたが、住友中之島ビルと朝日新聞社ビルは、ほぼ当時のままで、毎日ここまで通勤していた頃が懐かしく思えた。

ふたたびハービスにいき、ソニーショップで遊ぶ。相方は次なるPCの選定にいとまがない。3Dテレビも視聴したが、なかなか良かった。大型家電店舗と違い、ケタタマシイ音楽は無いし、心地よい環境音楽がながれ、ゆったりとした空間が配置されていて、けっこうくつろげた。

その後「大阪で串カツを!」を目標に来ていた相方とはホワイティでお誕生日の乾杯をし、娘の顔をみようかと思ったが、繁忙期とあり仕事だったので、今回は見送り、帰路爆睡にて無事帰宅と相成りました。