海の麦に沈む果実

怖い、不気味だ、薄気味悪いと感じながら「黄昏の百合の骨」の主人公理瀬の言葉に「黎二」「麗子」という名前が再々登場し、得体のしれない父親像も不可解に思っていたので、前作となった本書に手が伸びてしまった。

麦の海に沈む果実 (講談社文庫)

麦の海に沈む果実 (講談社文庫)

これまた、不可思議な世界。サスペンスファンタジーと呼ぶのだろうか。兎に角、不気味ワールド。ハリーポッターと11月のギムナジウムのイメージが読書中 時折やってくるが、「灰色の湿原」という言葉で、私のイメージの中のこのお話のシーンは、大抵夕暮れのどんより曇った天気か、誰かがどこかで潜んでいる夜で埋め尽くされる。
読了後、もう一度始めに戻ってストーリーの発端を確認したくなること間違いなし!まいったな。
あ〜、そうそう、「碁石をつかった心理ゲーム」の発想は面白かったですね。てか、あれリアルにやったらこえぇ〜よ。

それにしても、なんでこのようなとーちゃんが形成されたのかを知りたい(笑)
漫画で言うとですねー、大島弓子に出てくる男キャラが山岸涼子風にホラーに描かれ、萩尾望都ワールドで起こるお話のような・・・そんな印象でしたわ。あ〜。