宵山万華鏡

発売から約一年後ようやくページを開くことになった。1ページ目からすっとお話にはいっていけるのは、舞台が京都だから?繰り返される宵山。終わりのない宵山、毎日が宵山という恐怖。「どぐらまぐら」と「四畳半神話体系」を彷彿させる。
祭りに潜む異次元。カバーを彩る極彩色とは不釣り合いのもの悲しい余韻。京ことばでたっぷりの会話。
6つの短編集が、お互いにリンクしシンクロしている。同じ時をまったく別の角度から切り取った6つのストーリーと言った方が適切かもしれない。まさに「万華鏡」。くるりと回転させれば、模様がまったく違って見える。うまいネーミングだ。

宵山万華鏡

宵山万華鏡

読み進みながら、また以前の話のページを繰り戻し、繰り戻し。
烏丸六角に、もしや「杵塚商会」があるのではないか?
三条通では、緑色の建物を探してみよう。
四条烏丸の産業会館の地下には、あの喫茶店が存在するか?

グーグル地図で「了頓図子町」を探すと 果たしてそれは、実際に存在していた!
では、雑居ビルと喫茶店に挟まれた細い石畳の路地はないだろうか?


本気でそんなことを思わせる森見さんは、流石!


そして、途中で突如と現れるジブリ現象(笑)、読者の想像力を総動員して取り組まねばならない。これがまた楽しい。

新刊「ぺんぎんハイウェイ」も読みたいな〜〜