告白

1ページ読んだとたん、ガッツり掴まれて、止まらなくなった。読ませる読ませる〜。売れてる訳だわ。

映画も封切られた。予告をみて観たくなった。それに、松たか子は、結構好き。
ずっと気になっていた本屋大賞作品、出される著作は次々とヒット。しかし、自分が受けるダメージが怖くてなかなか手が出せずにいた。
ツイッターでnhosanから「どの登場人物の視点にたって感情移入するかでまったく違う感じになる気がします。」とRosyveryさんより「何かを考えるきっかけにはなりますヨ。」とメンション頂き、ページを開いた。背中を押してくれてありがとう。
夜半には読了。最近読んだ本の中で一番面白かった。想像していた内容とちょっと違い、後味はなんとも言えないが(それでも比較的スッキリ)、ダメージを受けると言うより、いろいろ考えさせられた。

告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)

告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)

本書にでてくる3人の母は、ホントに実在しそうなキャラでリアリティがあり、まるで、本当に起こった事件のような気分になってくる。
実際に、世の中には信じられない恐ろしい事件に溢れているし、「なんで?」と動機や心理を知りたくなる不可解なことばかり。
それが、家庭環境の違う3人の中学生のモノローグで書かれているのが興味深い。その心情は実在する中学生のものとどれほど似ているのかは、測りしれない。あくまで推測の域なんだろうが、良く描かれているように感じる。
そして、最後に映画監督の言葉にあるようにモノローグには、嘘が潜んでいる可能性があると。これも合点がいく。
真実はどこにあるのかはわからないが、自分のこと家庭のことを振り返るには良い題材だと思う。
子育てに正解はない。同じ愛情を持って育てているつもりでも、子どもひとりひとりによって、その受け止め方もまた異なる。
生死観・愛・倫理観・悪・正義 と どれも定義が難しいテーマが具現化されている。