光の指で触れよ
- 作者: 池澤夏樹
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2008/01
- メディア: 単行本
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まず、700数頁という分厚さとカバー写真の宗教的イメージにヒイタ。
が、しかし、2ページ目をめるくやいなや、もう私は食いついてしまっていた。
平和で理想的な家庭に何が起こったのか?
どうやら、前作が有るらしいことも読み進めるとわかった。あまり感情的でなく、淡々と描かれるひとりひとりのストーリーと心情は「情熱と冷静のあいだ」を思い起こさせた。キャラ毎に語り口が(文章表現が)違うので面白い。
しかも、内容が理科系でありながらスピリチュアル系なのだ。そして、事件が起こる。
今この東日本大震災があった時にどうしてこの本が??と妙にシンクロしている内容が偶然にしては出てくる出てくる。
日本がかかえているエネルギー資源問題。つまり原発問題とそれに絡むメインの風力発電の技術的記述。自立しようとしている息子を襲った停電騒動とそこで展開されるエコな生活。
そして、日本を離れ異国の地で、人生後半を見直そうとしている妻もまた、人間らしい自分らしい軸を築こうとパーマカルチャーに触れる。日本にいる夫は夫で、こちらも自分の人生後半を見直すヒントとなるものを見いだしシンクロする。
分厚い頁の割にぐいぐい読んだ。ストーリーの展開よりも語られる内容が私を惹きつけた。
前作となる「すばらしい新世界」も読んでみたい。そして「スティルライフ」も。
後日談がある。
久々に面白い、私にとっては目新しい本と出会ったので、その内容を数日後、興奮気味に旦那に話した。
丁度1時間半のドライブの最中、ほぼ私は喋りっぱなしだった。何時もなら相づちを打つ側なのに。
すると、思ったとおり旦那の琴線に響く物があったようで、「非電化工房」とコンタクトを取り始めた。
まず、読書するらしい。いや、セミナーを受ける条件として、読まねばならないそうだ「テクテクノロジー革命」
那須へ行くと言い出した。ちょちょちょちょ。。。