蹴りたい背中

子どもを塾に迎えに行くまでは飲酒できないので自分の勉強の時間・読書の時間に充てることにした。この日読んだのは娘が貸してくれた「蹴りたい背中」だ。

蹴りたい背中

蹴りたい背中

そう、話題の芥川賞受賞作。受賞前に買ったらしい。娘の感想は「いまいち。なんかどうってことない。ハミッタ子の話しや」と冷評だ。そりゃーそうだろう。友達がわんさかいる娘にはハミッタ子の心情が解らないだろう。と期待せずに読む。うーん。文体が新しくって、読みやすい。なんかWEB日記読んでるみたいだ。主人公の心境は複雑だが、けっこう私には心当たりがあったりして、なるほどね。とうなずける箇所もある。まぁ、超現代的というか。全ての高校生がこうじゃないだろけれど今の高校生ライフがよく解る。ような気になる作品だと思った。小説という架空ではなく実際にあったような話しと錯覚する。非常にリアルな現実だ。
「ありがと。読んだ」と返却すると
「へ?もう読んだん? はやー」と娘。読みやすかったよ。すごく。
それに「醤油を瓶ごと頭にこぼしてしまったかのような重く黒く長すぎる前髪」とか
「プールな気分」とか
「鉄の味のするフォークを舐めたときのような悪寒」とかの比喩が斬新かつ身近に感じた。