MRI

義母が入院してしまったので、私が代理で義父の先日の検査結果を聞きに同伴することになった。今日もめちゃくちゃ暑かったが、病院の駐車場が混んでいることを予想して、思い切ってタクシーを呼んだ。ドアtoドアで快適だった。
最近の大病院は、専門的分野しか診なくなってきているようだ。訪れたのは、神経内科。括弧書きで(老年内科)と書かれてあった。足が弱ってきている義父を玄関で車いすに乗せ、誘導してもらう。何から何まで私が先導するのは、本人にとって宜しくない。[車いすの練習を]との義母からの希望もあり、坂以外は手助けせず、後ろからぼちぼちとついて行く。大病院は迷路のようだ。年に数回しかこないものだから、いつもと違う入り口からはいると方向感覚が怪しくなる。「次どっち行ったらいいのですか〜?」ととぼけながら、案内してもらう。逆さまの方向に進もうとすると「おとうさん、こっちや、こっちこっち〜」と、ぐいっと方向転換させる。不慣れな車いすに義父は走行操作を一生懸命しているが、方向を変えるのは、やはり慣れていないと難しいようだ。私も乗ったことがないから、その要領がわからない。
診察室廊下につくと、もっとおぼつかない患者さんが、やはり身内の看護者と共に来ていた。皆一様に杖をついていて地面をすり足ですすむような同じような歩き方をしている。義父など、まだまだ全然しっかりして普通なんだけど、座骨神経痛が痛むので車いすに乗っているだけ。で、歩こうと思えば歩けるのだ。でもなんだか、こういった雰囲気は初めてで、近未来の自分の姿を見ているように思えた。最近の病院は 患者に対して「患者様」と呼ぶようにしているらしい。もちろん敬意を示しての奨励だが、様付けで呼ばれると、逆になんだか妙によそよそしく感じるのは私だけなんだろうか?それに「○○さまぁ〜」と言われると銀行で呼ばれているようだしさ。
今まで両家の両親とも健在でいてくれたのは、本当にありがたいことだ。義父は今年で78だ。まだまだこれからもがんばってもらいたい。来院時の血圧は標準値でとてもよく。本人も「調子ええな」とご機嫌だった。検査結果は、いますぐどうこうというレベルじゃなかったけれど、老化現象と共に症状が進むのは、仕方がないことだと言うことを医師が言っていた。MRIで映し出された小さい白い部分が死んでいる脳細胞だと教えてもらった。一旦死んでしまった脳細胞はもう再生しない。「脳梗塞の予防に努めること。予防の一番は、血圧のコントロール。135/85以下を目標にしてください。」との指導を受けた。

  • 血圧を下げるには、どうすればいいのですか? と私。
  • やはり自分でできる一番のことは、塩分を控えること。それから、薬を忘れずに飲むことです。と医師。
  • 主人も血圧が高いのですが、お酒はどれくらいが適量なのでしょうか?お酒を飲むと血圧が下がるそうですが・・
  • じゃぁ、お父さんと一緒に血圧治療をされたらいかがですか?(笑)お酒を飲むと一時的に血圧はさがりますが、その後逆にあがりますからね・・・1日中飲み続けなければ・・
  • は?
  • いや、冗談ですよ(笑)そんなことできないでしょ、でも薬ならずっと1日中効くわけです。ビールなら大瓶1本までですね。
  • 何か本人が自覚する予知症状とか あるんですか? 痺れるとか?
  • ないんですね。こうしてMRIを撮らないと解らないんです。物忘れがひどいなぁーとか症状がでたときは、もう詰まっている。遅いんです。それで、それがいつ頃から発症しているのかというと、数年前からの積み重ねなんですね。
  • 物忘れなんかしょっちゅうですわ。と父。
  • (わたしもだす。人の名前とか ほんの少し前のことがおもいだせないんです〜私も詰まってるんやろか???)
  • 「それで、センセ、任天堂のDSのノートレは効果ありますか?」 と聞こうと思っていて 次回の予約の説明を聞いているうちに忘れてしまった。

やっぱり、検査と本人の生活習慣に対する自覚が大事なんだなぁ〜。とひしひしと感じた日になりました。
旦那には、今度人間ドックで、ノーミソのMRI受けてもらお!きーめた。