椿山課長の七日間

椿山課長の七日間 (朝日文庫)

椿山課長の七日間 (朝日文庫)

amazonで3冊注文した内の2冊目。昨日こそ、チャングムのつづきを見ようと思っていたのに、これをちらっと読み始めたら、もう止まらない!! 読み終わったら、時計は真夜中の1時でした。
働き盛りの中年のサラリーマンが突然死して、自分の死を受け入れられず、初七日を迎える期間だけ、現世とは似ても似つかぬ姿で、現世にやり残したことを確かめに行く黄泉がえりのお話し。
ところが、現世では、自分のまったく知らなかった裏の人生があったことが判明していくわけです。あの世とこの世を司る中陰役所のシステムは、まるで、運転免許の更新にいく「運転試験場」そのものである。そして、つぎつぎと明らかになる自分を取り巻く人々の自分への思い。さらに椿山氏以外の二人の黄泉がえりのストーリーが微妙に絡まって、すこしずつ謎が解け、最後には全て縁と愛でつながっていくという、笑いあり感動有りの進行にもう読むのが止まりませんでした。涙こそ出ませんでしたが、SF小説を読んでいるようで、ミステリーを読んでいるようで、痛快で面白かった。最後の武田親分のシーンにはグッとくるものがありました。こういった人情ものは、さすが浅田次郎。温かい気持ちが残ります。

浅田次郎ということと、あらすじの前振り、朝日新聞の夕刊に連載され大反響を呼んだと言うレビューをざっと読んで、この本を買ったのですが、この本の帯をみるまで映画がちょうどロードショーされることとは知りませんでした。キャストをみると西田敏行伊東美咲成宮寛貴須賀健太とくれば、俄然映画も見たくなりました。映画の日にでも、いこーっと。

映画版
http://www.tsubakiyama.jp/trailers/index.html

予告をみたら、ストーリを思い出して、泣きそうになりました。各俳優の演技がミモノです。