プリズンホテル 春

やはり浅田次郎は人の魂を描く作家だと思う。4部作の最後を飾るにふさわしい「春」。なぜ、この4部作が春夏秋冬という順序で進まず、夏からスタートしたのか、この最終巻を読んで解った。いやほんま、まさしく笑って泣ける大団円。人間の魂と魂のぶつかり合いのプリズンホテル、今回もたっぷりと楽しませていただきました。

プリズンホテル 4 春 (集英社文庫)

プリズンホテル 4 春 (集英社文庫)

ここには、現代では失われつつある古き良き時代の日本の男と女が生きている。解説の中井美穂さんの言葉を借りれば、プリズンホテルに来る人は、なぜかどんどん解放されて素直に自分を見つめ直し、本当のことが言えるようになるのだ。人生のしがらみをたっぷりしょった曰く付きの登場人物が、ホテルをあとにするとき、自分でやってしまったことに、自分でけじめをつける。そして、ヤクザは、いやもとい、木戸一家はマック好きだった(笑)
ちょっと恐い氣もするけど、うちの一家もできることならば、是非このホテルで逗留させていただきたい。できれは、2階奥特別室「紅葉」の間でお願いしたい。うちらは、カタギですから、もちろんキャンペーン価格で(笑)
この先、「なにか面白い本ない?」と誰かに尋ねられたなら、私は間違いなく「秘密」に加え「プリズンホテル」を推すでしょう。良い本を紹介していただき感謝です。SOさん。