ああ言えばこう食う

油ののCMでも、すっかりおなじみなったこのお二人の往復エッセイを、以前から読んでみたかった。先日、M夫人に進呈するために「活動寫真の女」の文庫を探した際、すぐその横にこの本があり、ピカリと光って私にアピールした。
本来、私は、小説よりもエッセイ好きなのだ。

ああ言えばこう食う (集英社文庫)

ああ言えばこう食う (集英社文庫)

あははと笑って、読んですっきり。最後の鼎談で五木寛之氏が、「この本の良いところは、読了後なにも残らないところ。それがいいんだ」とおっしゃっているが、まさにその通り。「余韻」とか「深く考え直す」とかが無く、爽やかにスルーしてしまった。
でも流石に文章は快活で上手いなぁ。アカデミックな女性は嫁きおくれやすいといわれているが、それを体現しているようなお二人のお話。しかし、話しの中心は常に食にあるから、たんに愚痴に終わらず楽しい。
また、文章を学ぶ上でも、「そうか、こんな表現がありなんだ」とか「ここで句読点をいれるから、次に来る単語が活きるるんだな」とか「なるほど、ここで改行ねぇ〜」とか「この四字熟語しらなかったー」とか、かなり勉強になった。
歯に衣着せぬもの言いができる女性関係って、ほんとなかなかないのよね。だから、とてもうらやましい関係じゃないかしら。もちろんお互いに尊敬しあっているからこそ、なんだけど。
大人になるとだんだんと親友という存在にはめぐり逢う機会が僅少となる。だから、大人になってから、出会った気の合う友達は大切にしたい。