金沢名物:宝の麩

Chumi2007-09-04


ふやきの中央に指で穴をあけて、添付の粉末だしをいれ、お湯をそそぐ。すると、中から次々と可愛い色とりどりの具が溢れ出てきて楽しい。なんかこう嬉しくなっちゃう。一瞬子ども心に戻ったよう。
お手軽で美味しい。麩自体が香ばしくて美味しいのだ。
   http://www.fumuroya.co.jp/products/suimono/index.html
以前金沢の同業者からこれを贈っていただいた時、あまりの可愛いイベント性に驚きすっかり魅了された。
今回の法事の祖供養に金沢のものを使いたいと義母が言うので、この宝の麩を提案した。義母は我家用にも用意してくれていて、みそ汁のだしをとっている時間がないときに重宝してつかわせてもらっている。
この宝の麩の誕生秘話がまた興味深い。
それは、十数年前のこと。加賀麩「不室屋」5代目が自分の子どもたちの見聞を広めさせようと海外留学させた。しかし、海外で心配なのは食のこと。子どもたちの健康を考えた母は、日本の味を手軽に食べられるようにとふやき最中の中に乾燥させた野菜や花麩など沢山の具をいれ金沢風のおすましの粉末だしを添えて母心で送ったのが始まりだという。
湯を注ぐと、宝の麩から次々と出てくるのは、母の愛であったのだ。
普段に食するのはもったいないけれど、お祝い事や御礼などの贈答品に、また落ち込んでいてリフレッシュしたい時、きっと喜んでいただける一品。お手軽で美味しいだけではない。愛が溢れでてくるからなのだ。