未来のきみが待つ場所へ

ドラちゃんが貸してくれた1冊。中学のときオール1の成績だった著者が高校教師になるまでの奇跡の軌跡。

未来のきみが待つ場所へ  先生はいじめられっ子だった

未来のきみが待つ場所へ 先生はいじめられっ子だった

恵まれない家庭環境、ついて行けない学力、引っ込み思案な性格、中学になっても九九が2の段までしか言えなかった。それゆえ小学校中学校といじめ抜かれた。自殺未遂2回。そして両親の死。月13円しかなく、蟻をたべたり、ティッシュにマヨネーズをかけてたべたりして餓えを凌いだ壮絶な一人暮らし。
それでも、悪の道にはしらず、孤独を乗り越え、プラス方向へまっすぐに生きてきたとき、ようやく迎えた転機。
自分の事を理解してくれる彼女とアインシュタインとの出会い。24歳で入学した定時制高校。恩師との出会い。支えられ猛勉強した結果、誰からも無理だといわれた名古屋大学への合格。
物理学の研究者を目指そうと大学院までいったが、自分の天職は おちこぼれでいじめられっこであった自分でしか出来ない教師だと気づく。

理解しやすいやさしい文体で書かれてあるので、小学生にも読める。車中1時間ほどであっという間に読了した。読みやすいが、中身は非常に濃い。具体的表現でかかれてあるので、著者の思いがストレートに伝わってくる。

ダンボール中学生」を読んだ時にもそう思ったけど、母親の無償の愛の大きさ、育ち/学びの環境の大切さ。「生きる」ことへの躾(考え方)の重要性をひしと感じた。いじめられても悪びれず、くじけず、自分なりの希望を見いだして、生きてきた立派な人だと思う。こんな人生が本当にあるんだ。こんな素晴らしい人が居るんだという驚きのストーリー。
宮本先生に教えてもらえる生徒は幸せだ。