「食い逃げされてもバイトは雇うな」なんて大間違い

下巻は禁じられた数字として、経営計画書の数字が一人歩きし、予想を上回り利益が出た場合、どのような問題が起こってくるのか、それの対処法とは?という具体例から始まり、会計学上禁じられた数字とはどのようなものを指すのか。或いは、会計信仰への疑惑などが述べられ、いつものように読者に問いを出す形式で、会計的考え方と非会計的考え方の違いとそれぞれの重要性を説く。
上巻では会計学的にみれば、バイトを雇うのは利益として損としているが、下巻では経営学的に見れば、バイトを雇うなというのは大間違いだと説いている。つまり、経営者にかかわらず、数字にまどわされず、数字の背景にある真実をみきわめ、多角的視野をもって数字を見ることに慣れて欲しいということ。
近年 金融リテラシーの普及を小学生からとやかましく言われ出してきたが、、それよりもまず、数字を理解させること(数字の扱い方)と幼年から会得させることのほうが重要だという山田氏の考えにごもっともとうなずいてしまった。(もちろん金融リテラシーも欧米に比べると日本は遅れていると感じるので、そちらの方も教育学上 進めていただきたいが)数字は、単に計算するだけの数値では無いと言うことだ。数字は、時にその背景にある事柄(社会動向や経済指標などなど)を雄弁に物語る文字であるということがわかる。
リラックスして読めます。