不幸な国の幸福論〜しなやかな生にこそ希望がある〜

三省堂新書ガールズお薦めの一冊。現代の世知辛い世の中に生きて行く為の幸福論。今「生きづらい」と悩んでいる人におススメ。色々なステージ人と知り合い、コミュニケーションを取り、様々な価値観を受け入れることが、人生をしなやかに幸せに希望をもって生きる秘訣に感じた。
途中で著者が80歳と知り驚いた。どのような心構えで不安に映る今後の人生を過ごしてゆけば良いのかを精神科医ならではの視点で解く。著者の豊富な臨床経験と数値データーから、幸せに生きる為の「老い」と「死」をみつめて論理的に、且つわかりやすく解説されている。

不幸な国の幸福論 (集英社新書)

不幸な国の幸福論 (集英社新書)

印象深かったのは、老子のことば 
「知足者富」足るを知るものは富む。何事においても足って満足する事の出来るものが、本当の意味で豊かな人間なのだ。単に我慢しろ、欲望をおさえろということではなく、モノ、お金、名声や地位や他者の評価といった自分の外側にあるものに振り回されるな。もっと自足していきよう。とのすすめ。
「強行者有志」強めて行うものは、志あり。足るをしることがだいじであっても、現状にとどまっていればいいというわけではなく。自分を励まし、志をもって努力を続けよう。
逆境に強い人は、単に付き合いが広いというだけではなく、さまざまな生活環境、生活スタイル、価値観の人たちとふれあっている。「場」を増やして心の免疫力をアップすることが大切だ。
免疫力アップに最も効果的なのは、自分にとっての「好き」を見つけること。
人間が生きていくうえで最も大切なものは「希望」。
夢は変更可能なものであり、自分か本当に好きなことや向いて斬る事が最初から分っている人などそうはいない。だから、進む道も臨機応変に変えていけばよい。
周囲の環境や運ではなく、その人が世界とどう関わっていくかという、人間の生きる姿勢が幸福をつくる。
これまで自分たちを縛っていた価値観を見直し、人にも環境にもやさしい生き方を模索していくこと。スプールな精神こそが幸福の源泉であり、しなやかな生にこそ希望がある。




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