イルマーレ 〜韓国映画とハリウッドの相違についての一考察〜

とある本の解説から「イルマーレ」を知り、是非とも見たくなったので久々GEOへ。

イルマーレ [DVD]

イルマーレ [DVD]

2000年の韓国映画イルマーレ」が叙情的で余韻たっぷりに仕上がった美しい映像だったので、その映画の影響を受けて2006年にハリウッドでリメイクされた、キアヌ・リーブス主演のアメリカ版「イルマーレ」(原題はThe Lake House)の仕上がりが気になって、これも借りてきた。
イルマーレ [DVD]

イルマーレ [DVD]

プロットが同じなのに、演習が違うとこうも違った印象になるのかと驚いた。まるで全然ちがう作品だ。特に見終わった後の気持ちが全く違う。

イルマーレは、イタリア語で「海」の意味なんだそう。
幻想的な霧もやのオープニング。海上から海岸にカメラが動き、海上に建てられた瀟洒な家が姿を現す。すでにこの時点の映像が美しく、がっつり心を掴まれる。その家「イルマーレ」から引っ越す若い女性ウンジュ。引っ越し際にメールボックスに次の住人に置き手紙を残す。
「次の住人さんへ。
郵便物の転送届けはすませましたが、大切な郵便物が届くからかならず私宛に転送して下さい。
追伸 玄関の犬の足跡は初めから付いてました。」と日付は1999年。
しばらくして、若い男性ソンヒョンが同じ家にやってきて、メールボックスに手紙が有るのを発見。ソンヒョンは家のアプローチへとつづく海岸のポーチの木製礎石に「Il Mare」をスプレーペンキで名前をつける。

ここで、まず え?と思うよね。

実はソンヒョンが手紙を受けとったのは1997年で、この家の初めての住人。なにかといたずらと思い、郵便受けに返事を書いて入れる。
すると、また2年後の未来のウンジュから手紙が入ってくる。
こうして、2年の時を超えて 二人の文通が始まる。
ウンジュは建築で、PC画面にエッシャーメビウスの輪が映し出される。「どうも時が捻れてるな」と。http://store.shopping.yahoo.co.jp/poster/enlargedimage.html?code=escher33&img=http://item.shopping.c.yimg.jp/i/l/poster_escher33
イルマーレ」は内装も素敵で、シンプルな現代的。


一方 ハリウッドの方は、この家が湖畔上に建てられてるので、Lake Houseという名称で呼ばれているが、この家が まるで透明なコンテナを横に十字群にくっつけたような建築デザインで、見た瞬間ひどく興ざめた。
私なら 絶対住みたくない家だとおもった。ガラス張りの牢獄のようなイメージ。実際映画のなかでは「プライバシーのないボロ家」と表現されている。

・・・・続